旅好きになった訳③…逃避

「お金はため込まないで、使わなければダメだ！人間、いつ死ぬかわからない！」

残業ばかりの仕事で、身体よりも心が疲れていたと思う。 入ってくる給料の多くを旅行に費やすようになっていった。 多くを…といっても、僅かな給料からでは生活費を先取りすれば多くは望めない。

幸いなことに ・家は建てた直後 ・無借金（家はキャッシュで建てた） ・個人年金1000万相当額 この三点があったので、最悪全ての収入を遊びに使っても数年間はokだろうと… 家をキャッシュで建てたから、現金は全然無かったけど… あと、独り者なので、さみしいが気楽なのも良かった。

キャッシュを半年貯めては旅行する生活。 楽しくはあるが、少しずつ異なる考えが芽生えてきた。 アフリカのコンゴ民主共和国で、同行者の一言にハッとした 『こんなところに来る皆さんは、老後2000万円問題なんて、とっくに解決済みですよね笑』

少しずつ芽生えていた異なる考えとは、この老後の漠然とした、しかし、切実な不安だったのだ。 心のどこかでは 「こんな安月給で旅行なんて…分不相応なのかな？」 なんて考えていたのだ。 この一言を発して（別に私一人に言った訳ではなかったが笑）くれたツアー参加者には感謝の念しかない。

現実を振り返ってみよう。